学校跡地に定期借地権設定は、本当に有効か?を質問しました!

今回、たかやは、―(仮称)神田東松下町計画でコミュニティーは、再生するのか―を平成22年6月8日(火)15:30から第2回定例会において代表質問いたしました。
項目、内容は、下記に示します。
1.������� 公有地活用の基本方針(ガイドライン)がないことについて
2.������� 定期借地権の貸主(千代田区)・地域住民の不利益について
3.������� 定期借地権の借主(マンション住民等)・地権者の不利益について
4.������� 定期借地権設定に至る手順手続きは、適切に踏まれているのか、等。

内容は、下記 学校跡地に定期借地権設定は、本当に有効か?内容は、下記
―(仮称)神田東松下町計画でコミュニティーは、再生するのか ―
わが国の社会資本(社会的インフラ)はその多くが1960年代の高度成長期に集中的に整備されており、今日、それらが次々と築後50年を迎え、大量更新期に至っております。しかし、バブル崩壊後の経済の長期低迷と少子高齢化の進行により税収は落込む一方で福祉関連の歳出は増加の一途をたどっております。そのため、既存の社会資本の更新が必要となっているにも拘らず、それに要する多額の財源を捻出することが財政上極めて難しい状態になっていることは、全国の地方公共団体に共通の問題となっており千代田区も例外ではありません。
さて、今回取り上げる問題は、学校跡地をはじめとする公有地利用に当たっての定期借地権方式の妥当性についてであります。特に、行政計画として平成14年以来8年の長きにわたって検討されている旧・千桜小学校跡地の有効活用をめぐる、いわゆる「(仮称)神田東松下町計画」は,区議会の委員会においてこの3年間、数々の問題が指摘されながら議論が重ねられて来ましたが、今日なお、入口段階の本質的な問題が整理されぬまま、本計画は続行されてきたものであり、この計画を例として定期借地権方式の問題点について検討したいと存じます。
そもそも、現在の「(仮称)神田東松下町計画」とは旧千桜小学校跡地において、4割部分に区営住宅を建築し、残り6割部分には定期借地権を設定してデベロッパーに貸付けし、その上で約33階建ての店舗、事務所及び分譲マンション棟を建設するというものです。また、小学校跡地に隣接する地権者も本計画に等価交換の形で参加するというのがこの計画の骨子です。
千代田区は遅ればせながら本計画の意見交換会を平成22年5月25日に岩本町ほほえみプラザで開催しました。その時、提示した資料に依りますと2002年(平成14年)の第3次長期総合計画を根拠にしていると説明されておりますが、本当に長期的展望に立っているのかという疑問さえ感じるのであります。この定期借地権スキームは、定住性に欠けており、定期借地権マンションは子孫に引き継がれない資産であるため、コミュニティーは再生しないのです。そればかりか中古マンションの価格半減期が東京全体で33年ですが、定期借地権マンションはまだ転売市場すら確立されておりません。従って、半減期が相当短く資産価値が急落することが明らかであります。最近の例では、平成15年に今川小学校跡地に建設されたコーシャハイム神田がコミュニティー再生に貢献がみられません。40年前に建設された,外神田住宅においては下層階1・2階が民間に分譲されましたが、外神田住宅は所有権の分譲であったにも拘わらず、相続により権利関係が複雑になり、いまだ区立住宅部分の3階から7階の建て替えすら出来ない状態です。一説には,外神田住宅の区営住宅部分を,「(仮称)東松下町計画」に飛ばすことによって問題を解決しようというような苦し紛れの解決策が検討されているようにも聞き及びます。
外神田住宅を例に取ってみても40年間で分譲した部分が既に権利関係が複雑で手がつけられなくなっているのが現実で、ましてや50年を超える定期借地権のマンションとなれば、期間満了時に所有権が膨大に細分化してにっちもさっちもいかなくなるのかは、後述するように相続が放棄されスラム化するのか、いずれにしても、区がかかげるコミュニティーは、崩壊するのではないでしょうか。
千代田区は、期間満了時の解体の責任は、あくまでもデベロッパーが負うと何回も答弁されていますが、それが実行される保証は、あるのですか。今日ほど、企業の存続が危ぶまれる中、半世紀先の解体時にデベロッパーが存在する保証はあるのでしょうか。
また、デベロッパーがその役割を外れた場合、膨大に細分化された借地人(区民)が建物を取り壊して土地を明け渡す義務を負いますが、その全員が義務を果たせない場合は、区は区民と訴訟しなくてはなりません。
このように定期借地権のデメリットは枚挙にいとまがなく、長期的展望に決定的に欠けていることが明らかであります。果たして、千代田区が「(仮称)神田東松下町計画」を皮切りに、他の学校跡地でも、適用されるのか定期借地権方式が、本当に最善策と言えるのか「ちよだの声」を代表して、あらためて問うものであります。わが国の社会資本(社会的インフラ)はその多くが年代の高度成長期に集中的に整備されており、今日、それらが次々と築後年を迎え、大量更新期に至っております。しかし、バブル崩壊後の経済の長期低迷と少子高齢化の進行により税収は落込む一方で福祉関連の歳出は増加の一途をたどっております。そのため、既存の社会資本の更新が必要となっているにも拘らず、それに要する多額の財源を捻出することが財政上極めて難しい状態になっていることは、全国の地方公共団体に共通の問題となっており千代田区も例外ではありません。さて、今回取り上げる問題は、学校跡地をはじめとする公有地利用に当たっての定期借地権方式の妥当性についてであります。特に、行政計画として平成年以来年の長きにわたって検討されている旧・千桜小学校跡地の有効活用をめぐる、いわゆる「(仮称)神田東松下町計画」は,区議会の委員会においてこの年間、数々の問題が指摘されながら議論が重ねられて来ましたが、今日なお、入口段階の本質的な問題が整理されぬまま、本計画は続行されてきたものであり、この計画を例として定期借地権方式の問題点について検討したいと存じます。そもそも、現在の「(仮称)神田東松下町計画」とは旧千桜小学校跡地において、割部分に区営住宅を建築し、残り6割部分には定期借地権を設定してデベロッパーに貸付けし、その上で約階建ての店舗、事務所及び分譲マンション棟を建設するというものです。また、小学校跡地に隣接する地権者も本計画に等価交換の形で参加するというのがこの計画の骨子です。千代田区は遅ればせながら本計画の意見交換会を平成年5月25日に岩本町ほほえみプラザで開催しました。その時、提示した資料に依りますと年(平成年)の第次長期総合計画を根拠にしていると説明されておりますが、本当に長期的展望に立っているのかという疑問さえ感じるのであります。この定期借地権スキームは、定住性に欠けており、定期借地権マンションは子孫に引き継がれない資産であるため、コミュニティーは再生しないのです。そればかりか中古マンションの価格半減期が東京全体で年ですが、定期借地権マンションはまだ転売市場すら確立されておりません。従って、半減期が相当短く資産価値が急落することが明らかであります。最近の例では、平成年に今川小学校跡地に建設されたコーシャハイム神田がコミュニティー再生に貢献がみられません。年前に建設された,外神田住宅においては下層階・階が民間に分譲されましたが、外神田住宅は所有権の分譲であったにも拘わらず、相続により権利関係が複雑になり、いまだ区立住宅部分の階から階の建て替えすら出来ない状態です。一説には,外神田住宅の区営住宅部分を,「(仮称)東松下町計画」に飛ばすことによって問題を解決しようというような苦し紛れの解決策が検討されているようにも聞き及びます。外神田住宅を例に取ってみても40年間で分譲した部分が既に権利関係が複雑で手がつけられなくなっているのが現実で、ましてや50年を超える定期借地権のマンションとなれば、期間満了時に所有権が膨大に細分化してにっちもさっちもいかなくなるのかは、後述するように相続が放棄されスラム化するのか、いずれにしても、区がかかげるコミュニティーは、崩壊するのではないでしょうか。千代田区は、期間満了時の解体の責任は、あくまでもデベロッパーが負うと何回も答弁されていますが、それが実行される保証は、あるのですか。今日ほど、企業の存続が危ぶまれる中、半世紀先の解体時にデベロッパーが存在する保証はあるのでしょうか。また、デベロッパーがその役割を外れた場合、膨大に細分化された借地人(区民)が建物を取り壊して土地を明け渡す義務を負いますが、その全員が義務を果たせない場合は、区は区民と訴訟しなくてはなりません。このように定期借地権のデメリットは枚挙にいとまがなく、長期的展望に決定的に欠けていることが明らかであります。果たして、千代田区が「(仮称)神田東松下町計画」を皮切りに、他の学校跡地でも、適用されるのか定期借地権方式が、本当に最善策と言えるのか「ちよだの声」を代表して、あらためて問うものであります。
1.�� 公有地活用の基本方針(ガイドライン)がないことについて
わが国の社会資本(社会的インフラ)はその多くが年代の高度成長期に集中的に整備されており、今日、それらが次々と築後年を迎え、大量更新期に至っております。しかし、バブル崩壊後の経済の長期低迷と少子高齢化の進行により税収は落込む一方で福祉関連の歳出は増加の一途をたどっております。そのため、既存の社会資本の更新が必要となっているにも拘らず、それに要する多額の財源を捻出することが財政上極めて難しい状態になっていることは、全国の地方公共団体に共通の問題となっており千代田区も例外ではありません。さて、今回取り上げる問題は、学校跡地をはじめとする公有地利用に当たっての定期借地権方式の妥当性についてであります。特に、行政計画として平成年以来年の長きにわたって検討されている旧・千桜小学校跡地の有効活用をめぐる、いわゆる「(仮称)神田東松下町計画」は,区議会の委員会においてこの年間、数々の問題が指摘されながら議論が重ねられて来ましたが、今日なお、入口段階の本質的な問題が整理されぬまま、本計画は続行されてきたものであり、この計画を例として定期借地権方式の問題点について検討したいと存じます。そもそも、現在の「(仮称)神田東松下町計画」とは旧千桜小学校跡地において、割部分に区営住宅を建築し、残り6割部分には定期借地権を設定してデベロッパーに貸付けし、その上で約階建ての店舗、事務所及び分譲マンション棟を建設するというものです。また、小学校跡地に隣接する地権者も本計画に等価交換の形で参加するというのがこの計画の骨子です。千代田区は遅ればせながら本計画の意見交換会を平成年5月25日に岩本町ほほえみプラザで開催しました。その時、提示した資料に依りますと年(平成年)の第次長期総合計画を根拠にしていると説明されておりますが、本当に長期的展望に立っているのかという疑問さえ感じるのであります。この定期借地権スキームは、定住性に欠けており、定期借地権マンションは子孫に引き継がれない資産であるため、コミュニティーは再生しないのです。そればかりか中古マンションの価格半減期が東京全体で年ですが、定期借地権マンションはまだ転売市場すら確立されておりません。従って、半減期が相当短く資産価値が急落することが明らかであります。最近の例では、平成年に今川小学校跡地に建設されたコーシャハイム神田がコミュニティー再生に貢献がみられません。年前に建設された,外神田住宅においては下層階・階が民間に分譲されましたが、外神田住宅は所有権の分譲であったにも拘わらず、相続により権利関係が複雑になり、いまだ区立住宅部分の階から階の建て替えすら出来ない状態です。一説には,外神田住宅の区営住宅部分を,「(仮称)東松下町計画」に飛ばすことによって問題を解決しようというような苦し紛れの解決策が検討されているようにも聞き及びます。外神田住宅を例に取ってみても40年間で分譲した部分が既に権利関係が複雑で手がつけられなくなっているのが現実で、ましてや50年を超える定期借地権のマンションとなれば、期間満了時に所有権が膨大に細分化してにっちもさっちもいかなくなるのかは、後述するように相続が放棄されスラム化するのか、いずれにしても、区がかかげるコミュニティーは、崩壊するのではないでしょうか。千代田区は、期間満了時の解体の責任は、あくまでもデベロッパーが負うと何回も答弁されていますが、それが実行される保証は、あるのですか。今日ほど、企業の存続が危ぶまれる中、半世紀先の解体時にデベロッパーが存在する保証はあるのでしょうか。また、デベロッパーがその役割を外れた場合、膨大に細分化された借地人(区民)が建物を取り壊して土地を明け渡す義務を負いますが、その全員が義務を果たせない場合は、区は区民と訴訟しなくてはなりません。このように定期借地権のデメリットは枚挙にいとまがなく、長期的展望に決定的に欠けていることが明らかであります。果たして、千代田区が「(仮称)神田東松下町計画」を皮切りに、他の学校跡地でも、適用されるのか定期借地権方式が、本当に最善策と言えるのか「ちよだの声」を代表して、あらためて問うものであります。公有地活用の基本方針(ガイドライン)がないことについて公有地活用の基本方針(ガイドライン)がないことについて
まず、第一に学校跡地の有効活用のあり方について考えます。少子化の進行により児童・生徒数がピーク時の50%以下に減少する中で、小・中学校の統廃合が行われることは(児童・生徒の通学の便や安全性を考えるとき、これを積極的に是とすることはできないながらも)学校設置基準との関係で、ある程度やむを得ないところがあります。しかしながら、少子化が進行したとは言え地域人口全体が減少するのはまだ当面先の話であり、むしろ、現状は微増しておりますので関東大震災クラスの大規模災害の際に避難所等の防災拠点となり得る公開空地の必要性まで減少したわけではありません。学校用地はそもそも地域の防災拠点でもあったわけですから、旧・千桜小学校をはじめとする学校跡地の有効活用に当たっては、まず何をおいても区民の安全と福祉を確保する視点を欠いてはならないものと考えます。
この点で参考にすべきは墨田区の実例であります。墨田区では平成9年11月に「墨田区立学校統合跡地の利用に関する基本方針」を定め、①都心に残された貴重な空間を活用し、良好な街づくりを進めること②住宅密集市街地における防災拠点としての機能に配慮することを定めています。墨田区の1.5倍の学校跡地(墨田区6・千代田区9)を抱える千代田区においては墨田区以上に配慮が求められるべきであり、学校跡地である公有地の活用について基本方針が定められていないことは全く理解に苦しむところであります。

まず、第一に学校跡地の有効活用のあり方について考えます。少子化の進行により児童・生徒数がピーク時の%以下に減少する中で、小・中学校の統廃合が行われることは(児童・生徒の通学の便や安全性を考えるとき、これを積極的に是とすることはできないながらも)学校設置基準との関係で、ある程度やむを得ないところがあります。しかしながら、少子化が進行したとは言え地域人口全体が減少するのはまだ当面先の話であり、むしろ、現状は微増しておりますので関東大震災クラスの大規模災害の際に避難所等の防災拠点となり得る公開空地の必要性まで減少したわけではありません。学校用地はそもそも地域の防災拠点でもあったわけですから、旧・千桜小学校をはじめとする学校跡地の有効活用に当たっては、まず何をおいても区民の安全と福祉を確保する視点を欠いてはならないものと考えます。この点で参考にすべきは墨田区の実例であります。墨田区では平成9年11月に「墨田区立学校統合跡地の利用に関する基本方針」を定め、①都心に残された貴重な空間を活用し、良好な街づくりを進めること②住宅密集市街地における防災拠点としての機能に配慮することを定めています。墨田区の1.5倍の学校跡地(墨田区6・千代田区9)を抱える千代田区においては墨田区以上に配慮が求められるべきであり、学校跡地である公有地の活用について基本方針が定められていないことは全く理解に苦しむところであります。そこで、お伺いをいたします。

まず、そもそも,未利用の区有地は、どれくらいの土地が何カ所、何㎡あり、学校跡地はどれくらいを占めているのか。
千代田区においても今、述べたような良好な街づくりと防災拠点としての機能への配慮を中核とする「学校跡地等公有地の利用に関する基本方針」を定める意向があるのか、ないとすればその必要性を認めない理由は何か、また、定期借地権方式を他の区有地でも適用する意向があるのかあわせてお尋ねします。まず、そもそも,未利用の区有地は、どれくらいの土地が何カ所、何㎡あり、学校跡地はどれくらいを占めているのか。千代田区においても今、述べたような良好な街づくりと防災拠点としての機能への配慮を中核とする「学校跡地等公有地の利用に関する基本方針」を定める意向があるのか、ないとすればその必要性を認めない理由は何か、また、定期借地権方式を他の区有地でも適用する意向があるのかあわせてお尋ねします。
2.� 定期借地権の貸主(千代田区)・地域住民の不利益について
まず、そもそも,未利用の区有地は、どれくらいの土地が何カ所、何㎡あり、学校跡地はどれくらいを占めているのか。千代田区においても今、述べたような良好な街づくりと防災拠点としての機能への配慮を中核とする「学校跡地等公有地の利用に関する基本方針」を定める意向があるのか、ないとすればその必要性を認めない理由は何か、また、定期借地権方式を他の区有地でも適用する意向があるのかあわせてお尋ねします。
そもそも学校跡地は、コミュニティーにとって全てかけがえのない拠点だったものであり、時代の変化の中でその用途を廃止したからと言って、売却すべきものではなく新たなコミュニティーの核として活用すべきものとの基本的認識は始めの質問で述べた通りです。
旧・千桜小学校跡地をめぐる、いわゆる「(仮称)神田東松下町計画」において採用されているところの「定期借地権」とはどのような制度であるのか、また、どのような歴史的経緯から創設された制度であるのかを考察してみます。
そもそも定期借地制度とは、従前の(普通)借地権と異なり、更新がなく当初定められた契約期間で借地関係が終了することを特徴とする土地利用制度をいいます。この定期借地制度は平成4年施行の新・借地借家法により、それまでの(普通)借地権に加えて新たに規定された制度でありますが、この制度が創設された背景には実は、「農地の宅地並み課税」があったことを指摘しなければなりません。
「農地の宅地並み課税」とは農業保護のための「長期営農継続農地制度」を平成3年度限りで廃止し、都市計画法上の「市街化区域」内に所在する農地について宅地と同程度の課税をすることにより間接的に農地の宅地化を促進することによって、宅地供給を増加させ地価の抑制を図ろうとした政策であります。これはすなわち、農家に対して市街化区域内農地の課税を強化することにより事実上、営農の継続を断念させて農地の用途転換を促す一方で、農家にとって土地は先祖伝来のもの祖先の血と汗で守り通してきたものとする心情に配慮し、農地を手放すことなく宅地として供給させるためにいわば「アメとムチ」の「アメ」の関係に立つものとして定期借地権制度が創設されたものであります。
区民の思いを考えても、まちづくりと言う点から考えても区有地の売却という選択肢はあり得ませんが、定期借地権方式のデメリットを検証する意味で敢えて試算をするならば以下の通りです。
定期借地権方式の場合、年額の地代は概ね時価の1%相当額であると言われております。そうしますと仮に定期借地権の存続期間を50年とした場合に区が得られるキャッシュフローの総額は売却した場合の収入の約50%に過ぎないことになります(東松下町の再開発後の坪単価750万円から考えた場合でも45億円×50%=約22億円強)。また、保証金の額は千代田区公有財産管理規則第32条の2第1項1号の規定により、月額賃料の30ヵ月分以上とされていますが、これは、概ね年額の地代の3年分ということですから、土地の時価から見た場合その約3%に過ぎません。(東松下町の場合、保証金の額は1億3000万円程度。もし契約期間満了時の原状回復が行われなかった場合、この程度の金額では不足することは目に見えています)そもそも、保証金自体は契約期間満了時に原則として返還の義務を負うものですから、区に帰属するのはその運用益だけであります。昨今の低金利下においては、時価の3%程度に過ぎない保証金を50年間運用したことによって得られる運用益がどれほどの金額かは推して知るべしであります。1億3000万円を年利約2%で50年間複利運用した場合の利息は約2億円強にすぎません。厳しい財政状況に鑑みるならば、むしろ売却益を基金化した場合の運用益(45億円を同様の条件で運用した場合、利息だけで約76億円)の方が、定期借地権方式によって区が得られるところの収入を上回ることは明らかであると言わなければなりません。
そもそも学校跡地は、コミュニティーにとって全てかけがえのない拠点だったものであり、時代の変化の中でその用途を廃止したからと言って、売却すべきものではなく新たなコミュニティーの核として活用すべきものとの基本的認識は始めの質問で述べた通りです。旧・千桜小学校跡地をめぐる、いわゆる「(仮称)神田東松下町計画」において採用されているところの「定期借地権」とはどのような制度であるのか、また、どのような歴史的経緯から創設された制度であるのかを考察してみます。そもそも定期借地制度とは、従前の(普通)借地権と異なり、更新がなく当初定められた契約期間で借地関係が終了することを特徴とする土地利用制度をいいます。この定期借地制度は平成4年施行の新・借地借家法により、それまでの(普通)借地権に加えて新たに規定された制度でありますが、この制度が創設された背景には実は、「農地の宅地並み課税」があったことを指摘しなければなりません。「農地の宅地並み課税」とは農業保護のための「長期営農継続農地制度」を平成3年度限りで廃止し、都市計画法上の「市街化区域」内に所在する農地について宅地と同程度の課税をすることにより間接的に農地の宅地化を促進することによって、宅地供給を増加させ地価の抑制を図ろうとした政策であります。これはすなわち、農家に対して市街化区域内農地の課税を強化することにより事実上、営農の継続を断念させて農地の用途転換を促す一方で、農家にとって土地は先祖伝来のもの祖先の血と汗で守り通してきたものとする心情に配慮し、農地を手放すことなく宅地として供給させるためにいわば「アメとムチ」の「アメ」の関係に立つものとして定期借地権制度が創設されたものであります。区民の思いを考えても、まちづくりと言う点から考えても区有地の売却という選択肢はあり得ませんが、定期借地権方式のデメリットを検証する意味で敢えて試算をするならば以下の通りです。定期借地権方式の場合、年額の地代は概ね時価の1%相当額であると言われております。そうしますと仮に定期借地権の存続期間を年とした場合に区が得られるキャッシュフローの総額は売却した場合の収入の約%に過ぎないことになります(東松下町の再開発後の坪単価万円から考えた場合でも億円×%=約億円強)。また、保証金の額は千代田区公有財産管理規則第条の2第項1号の規定により、月額賃料のヵ月分以上とされていますが、これは、概ね年額の地代の年分ということですから、土地の時価から見た場合その約3%に過ぎません。(東松下町の場合、保証金の額は1億万円程度。もし契約期間満了時の原状回復が行われなかった場合、この程度の金額では不足することは目に見えています)そもそも、保証金自体は契約期間満了時に原則として返還の義務を負うものですから、区に帰属するのはその運用益だけであります。昨今の低金利下においては、時価の3%程度に過ぎない保証金を年間運用したことによって得られる運用益がどれほどの金額かは推して知るべしであります。1億万円を年利約2%で年間複利運用した場合の利息は約2億円強にすぎません。厳しい財政状況に鑑みるならば、むしろ売却益を基金化した場合の運用益(億円を同様の条件で運用した場合、利息だけで約億円)の方が、定期借地権方式によって区が得られるところの収入を上回ることは明らかであると言わなければなりません。そこで、これらについて質問をします。
そもそも学校跡地は、コミュニティーにとって全てかけがえのない拠点だったものであり、時代の変化の中でその用途を廃止したからと言って、売却すべきものではなく新たなコミュニティーの核として活用すべきものとの基本的認識は始めの質問で述べた通りです。旧・千桜小学校跡地をめぐる、いわゆる「(仮称)神田東松下町計画」において採用されているところの「定期借地権」とはどのような制度であるのか、また、どのような歴史的経緯から創設された制度であるのかを考察してみます。そもそも定期借地制度とは、従前の(普通)借地権と異なり、更新がなく当初定められた契約期間で借地関係が終了することを特徴とする土地利用制度をいいます。この定期借地制度は平成4年施行の新・借地借家法により、それまでの(普通)借地権に加えて新たに規定された制度でありますが、この制度が創設された背景には実は、「農地の宅地並み課税」があったことを指摘しなければなりません。「農地の宅地並み課税」とは農業保護のための「長期営農継続農地制度」を平成3年度限りで廃止し、都市計画法上の「市街化区域」内に所在する農地について宅地と同程度の課税をすることにより間接的に農地の宅地化を促進することによって、宅地供給を増加させ地価の抑制を図ろうとした政策であります。これはすなわち、農家に対して市街化区域内農地の課税を強化することにより事実上、営農の継続を断念させて農地の用途転換を促す一方で、農家にとって土地は先祖伝来のもの祖先の血と汗で守り通してきたものとする心情に配慮し、農地を手放すことなく宅地として供給させるためにいわば「アメとムチ」の「アメ」の関係に立つものとして定期借地権制度が創設されたものであります。区民の思いを考えても、まちづくりと言う点から考えても区有地の売却という選択肢はあり得ませんが、定期借地権方式のデメリットを検証する意味で敢えて試算をするならば以下の通りです。定期借地権方式の場合、年額の地代は概ね時価の1%相当額であると言われております。そうしますと仮に定期借地権の存続期間を年とした場合に区が得られるキャッシュフローの総額は売却した場合の収入の約%に過ぎないことになります(東松下町の再開発後の坪単価万円から考えた場合でも億円×%=約億円強)。また、保証金の額は千代田区公有財産管理規則第条の2第項1号の規定により、月額賃料のヵ月分以上とされていますが、これは、概ね年額の地代の年分ということですから、土地の時価から見た場合その約3%に過ぎません。(東松下町の場合、保証金の額は1億万円程度。もし契約期間満了時の原状回復が行われなかった場合、この程度の金額では不足することは目に見えています)そもそも、保証金自体は契約期間満了時に原則として返還の義務を負うものですから、区に帰属するのはその運用益だけであります。昨今の低金利下においては、時価の3%程度に過ぎない保証金を年間運用したことによって得られる運用益がどれほどの金額かは推して知るべしであります。1億万円を年利約2%で年間複利運用した場合の利息は約2億円強にすぎません。厳しい財政状況に鑑みるならば、むしろ売却益を基金化した場合の運用益(億円を同様の条件で運用した場合、利息だけで約億円)の方が、定期借地権方式によって区が得られるところの収入を上回ることは明らかであると言わなければなりません。旧・千桜小学校跡地については平成17年に(当時の)都市基盤整備公団を中心とする市街地再開発スキームが成立しないこととなって以降、前のめりに定期借地権ありきで事業が進められてきたように思えてならないのでありますが、果たして区は、今、見てきたような現金収支の面から公有地の売却と定期借地権の設定、あるいはその他の有効活用の方式との比較を行なったのでしょうか。それを区民に示してきたでしょうか。そして、貸し手である区にとって如何なる点において、明らかに売却にすら劣る定期借地権方式を勝れていると判断したのでしょうか。お伺いいたします。

3.� 定期借地権の借主(マンション住民あるいは、デベロッパー等)・隣接地権者の不利益について
第三に定期借地権物件、いわゆる定借マンションにはマンションの買い手であり、区有地の借り手である新区民にとってもあまたのデメリットがあると言わざるを得ません。
定期借地権は、先ほども見たように契約期間の満了時に更新がないところから、敷地を原状(更地)に戻して返還しなければなりません。このことから、直ちに分かるように定借マンションは時間の経過と共に資産価値が著しく低下することになります。いずれ遠からず建物を取り壊し更地にしなければならないことが分かっている定借マンションにおいて、管理組合・区分所有者がリフォームや修繕に積極的に費用を支出することは考えにくく、資産価値の劣化が一般の分譲マンションと比較しても相当早く進む可能性が高いことは容易に予想できます。
一般の一戸建て住宅では建物の価値がゼロになったとしても土地の価値は残ります。仮に、建物の解体撤去費が必要になるとしてもそれが土地の評価をも上回る金額になることは、通常考えにくいのであります。それに対して定借マンションでは、定期借地権自体は契約期間の満了により消滅し価値はゼロになり、建物も最終的に取り壊しによって価値はゼロになる。それのみならず建物の撤去費・土地の原状回復費用を必要とするわけですから、資産価値が、最終的にマイナスに陥ることは明白と言わざるを得ません。さらに、契約期間が満了する50年以上先においては、エネルギー資源が枯渇する一方でエコロジーやリサイクルが徹底され、原状回復のための建物の解体撤去費用・廃棄物の処分費用が高騰している可能性もあり得ます。現在、解体時に問題となっているアスベストの撤去に建設時では考えられないほど高額の処理費用が掛かることになるとは当時は予想もできなかったことが良い例です。
他方、マンションを購入する中心的な世代が30~40歳代であることを考えると定期借地権の50年の契約期間が満了する前に相続が起きる可能性は十分あり得ることです。しかしながら資産価値がマイナスであるような(場合によっては原状回復費用の高騰で大きくマイナスとなるような)定借マンションを好き好んで相続する者がいるとは思えません。もし、結果的に相続が放棄されてしまった場合、マンションの一定戸数が居住者のみならず、所有者さえもいない状態になって、地域のコミュニティが完全に崩壊しスラム化する恐れもないとは言えないのです。
第三に定期借地権物件、いわゆる定借マンションにはマンションの買い手であり、区有地の借り手である新区民にとってもあまたのデメリットがあると言わざるを得ません。定期借地権は、先ほども見たように契約期間の満了時に更新がないところから、敷地を原状(更地)に戻して返還しなければなりません。このことから、直ちに分かるように定借マンションは時間の経過と共に資産価値が著しく低下することになります。いずれ遠からず建物を取り壊し更地にしなければならないことが分かっている定借マンションにおいて、管理組合・区分所有者がリフォームや修繕に積極的に費用を支出することは考えにくく、資産価値の劣化が一般の分譲マンションと比較しても相当早く進む可能性が高いことは容易に予想できます。一般の一戸建て住宅では建物の価値がゼロになったとしても土地の価値は残ります。仮に、建物の解体撤去費が必要になるとしてもそれが土地の評価をも上回る金額になることは、通常考えにくいのであります。それに対して定借マンションでは、定期借地権自体は契約期間の満了により消滅し価値はゼロになり、建物も最終的に取り壊しによって価値はゼロになる。それのみならず建物の撤去費・土地の原状回復費用を必要とするわけですから、資産価値が、最終的にマイナスに陥ることは明白と言わざるを得ません。さらに、契約期間が満了する年以上先においては、エネルギー資源が枯渇する一方でエコロジーやリサイクルが徹底され、原状回復のための建物の解体撤去費用・廃棄物の処分費用が高騰している可能性もあり得ます。現在、解体時に問題となっているアスベストの撤去に建設時では考えられないほど高額の処理費用が掛かることになるとは当時は予想もできなかったことが良い例です。他方、マンションを購入する中心的な世代が~歳代であることを考えると定期借地権の年の契約期間が満了する前に相続が起きる可能性は十分あり得ることです。しかしながら資産価値がマイナスであるような(場合によっては原状回復費用の高騰で大きくマイナスとなるような)定借マンションを好き好んで相続する者がいるとは思えません。もし、結果的に相続が放棄されてしまった場合、マンションの一定戸数が居住者のみならず、所有者さえもいない状態になって、地域のコミュニティが完全に崩壊しスラム化する恐れもないとは言えないのです。
そこで質問をいたします。学校跡地を定期借地権方式で再開発を行った場合、契約期間の満了が近づいた時点において、そこにどのような「まち」がそして、区民の生活があると考えて定期借地権方式を推進しようとしているのでしょうか。
さらに、相続放棄によって所有者さえもいない状態となってしまっては、定期借地権の契約期間満了時に一体、誰が建物取壊し等の原状回復に責任を持ち、その費用を負担するのでしょうか。
そもそも定借満了期に原状回復の義務を負うのは誰なのか、どのような法律構成で原状回復義務者たる定期借地人を想定しているのでしょうか。
本来,マンションの専有部分の区分所有権を主従関係の「主」とすれば,敷地利用権たる定期借地権は主従関係の「従」の関係に立つものです。そうすると,民法87条2項では,「従物は主物の処分に従う」と規定されていることの類推により、特約条項がない限り定期借地権もまた細分化されてマンションの区分所有者に移転し、結果的に当初の借主であるデベロッパーは区との定期借地の契約関係から外れてしまうことになるはずであります。区は、特約条項を設けずに個々の買い主に借主の地位が移転してしまう契約を想定しているのか、特約条項を設けてデベロッパーに定期借地権を留保させるつもりであるのかお答えください。
そして、いずれの場合であったとしても,先ほども述べたように定期借地権設定時に区が差し入れを受ける保証金は年額地代の約3年分、すなわち、時価の概ね3%程度に過ぎず、この場合1億3000万円強と試算されます。この程度の保証金の額では、鉄筋コンクリート造30数階建ての定借マンションの撤去・原状回復費用に足りないことは明白であります。その場合には、私たちの子や孫の世代に大きな負担をつけ回しすることになりますので、原状回復がされなかった場合の区の損害は、いくらと試算しているのでしょうか、また、それらの不足額を区の財政で負担するつもりなのでしょうかお伺いいたします。
学校跡地を定期借地権方式で再開発を行った場合、契約期間の満了が近づいた時点において、そこにどのような「まち」がそして、区民の生活があると考えて定期借地権方式を推進しようとしているのでしょうか。さらに、相続放棄によって所有者さえもいない状態となってしまっては、定期借地権の契約期間満了時に一体、誰が建物取壊し等の原状回復に責任を持ち、その費用を負担するのでしょうか。そもそも定借満了期に原状回復の義務を負うのは誰なのか、どのような法律構成で原状回復義務者たる定期借地人を想定しているのでしょうか。本来,マンションの専有部分の区分所有権を主従関係の「主」とすれば,敷地利用権たる定期借地権は主従関係の「従」の関係に立つものです。そうすると,民法条項では,「従物は主物の処分に従う」と規定されていることの類推により、特約条項がない限り定期借地権もまた細分化されてマンションの区分所有者に移転し、結果的に当初の借主であるデベロッパーは区との定期借地の契約関係から外れてしまうことになるはずであります。区は、特約条項を設けずに個々の買い主に借主の地位が移転してしまう契約を想定しているのか、特約条項を設けてデベロッパーに定期借地権を留保させるつもりであるのかお答えください。そして、いずれの場合であったとしても,先ほども述べたように定期借地権設定時に区が差し入れを受ける保証金は年額地代の約年分、すなわち、時価の概ね3%程度に過ぎず、この場合1億万円強と試算されます。この程度の保証金の額では、鉄筋コンクリート造数階建ての定借マンションの撤去・原状回復費用に足りないことは明白であります。その場合には、私たちの子や孫の世代に大きな負担をつけ回しすることになりますので、原状回復がされなかった場合の区の損害は、いくらと試算しているのでしょうか、また、それらの不足額を区の財政で負担するつもりなのでしょうかお伺いいたします。
4.� 定期借地権設定に至る手順手続きは、適切に踏まれているか。
第四に,(仮称)神田東松下町計画では、公有地に定期借地権を設定するために必要な手順手続きが踏まれているのかどうか、今日までの手続きが適法に進められてきているのか疑わしいといわなければなりません。
地方自治法237条2項は、地方公共団体の財産は「条例又は議会の議決による場合でなければ」、「適正な対価なくしてこれを(中略)貸し付けてはならない」と規定しています。平成14年以来、今日に至るまで(仮称)神田東松下町計画においては、土地の貸し付について議会の議決を経ることなく、調査委託契約を始め各種の事業が実施され、公金が支出されてきております。この点に関しては確かに地方自治法は「条例または議会の議決がなければ」としているところから、議会の議決がなくても条例の規定に基づくならば、適正な対価なく区有財産を貸し付けることはできることになっています。ここでいう「条例」とは千代田区においては「千代田区財産の交換、譲与、無償貸付等に関する条例」を指すものと承知しておりますが、同条例の第4条1項には「普通財産は次の各号の一に該当する場合は、(中略)時価よりも低い貸付料で貸し付けることができる」とあり、次の各号とは「第1号 国または地方公共団体その他公共団体において、公用または公共用に供するとき」、「第2号 区の指導監督を受け、区の事務・事業を補佐し、または代行する団体においてその補佐または代行する事務・事業の用に供するとき」、「第3号 特に必要があると認めるとき」とあります。第四に,(仮称)神田東松下町計画では、公有地に定期借地権を設定するために必要な手順手続きが踏まれているのかどうか、今日までの手続きが適法に進められてきているのか疑わしいといわなければなりません。地方自治法237条2項は、地方公共団体の財産は「条例又は議会の議決による場合でなければ」、「適正な対価なくしてこれを(中略)貸し付けてはならない」と規定しています。平成14年以来、今日に至るまで(仮称)神田東松下町計画においては、土地の貸し付について議会の議決を経ることなく、調査委託契約を始め各種の事業が実施され、公金が支出されてきております。この点に関しては確かに地方自治法は「条例または議会の議決がなければ」としているところから、議会の議決がなくても条例の規定に基づくならば、適正な対価なく区有財産を貸し付けることはできることになっています。ここでいう「条例」とは千代田区においては「千代田区財産の交換、譲与、無償貸付等に関する条例」を指すものと承知しておりますが、同条例の第4条1項には「普通財産は次の各号の一に該当する場合は、(中略)時価よりも低い貸付料で貸し付けることができる」とあり、次の各号とは「第号 国または地方公共団体その他公共団体において、公用または公共用に供するとき」、「第号 区の指導監督を受け、区の事務・事業を補佐し、または代行する団体においてその補佐または代行する事務・事業の用に供するとき」、「第号 特に必要があると認めるとき」とあります。
第四に,(仮称)神田東松下町計画では、公有地に定期借地権を設定するために必要な手順手続きが踏まれているのかどうか、今日までの手続きが適法に進められてきているのか疑わしいといわなければなりません。地方自治法237条2項は、地方公共団体の財産は「条例又は議会の議決による場合でなければ」、「適正な対価なくしてこれを(中略)貸し付けてはならない」と規定しています。平成14年以来、今日に至るまで(仮称)神田東松下町計画においては、土地の貸し付について議会の議決を経ることなく、調査委託契約を始め各種の事業が実施され、公金が支出されてきております。この点に関しては確かに地方自治法は「条例または議会の議決がなければ」としているところから、議会の議決がなくても条例の規定に基づくならば、適正な対価なく区有財産を貸し付けることはできることになっています。ここでいう「条例」とは千代田区においては「千代田区財産の交換、譲与、無償貸付等に関する条例」を指すものと承知しておりますが、同条例の第4条1項には「普通財産は次の各号の一に該当する場合は、(中略)時価よりも低い貸付料で貸し付けることができる」とあり、次の各号とは「第号 国または地方公共団体その他公共団体において、公用または公共用に供するとき」、「第号 区の指導監督を受け、区の事務・事業を補佐し、または代行する団体においてその補佐または代行する事務・事業の用に供するとき」、「第号 特に必要があると認めるとき」とあります。
そこで,お伺いを致します。
(仮称)神田東松下町計画において、定期借地権を設定するに当たり、議会の議決を経る予定はあるのでしょうか。もし、ないとした場合、議会の議決を要しないのは「適正な対価」を得て貸付けすることをその根拠とするものでしょうか。仮に新区民となる定借マンションの住民が負担する地代の額を低く抑えるというような政策上の配慮から、付近の相場を下回るような地代の額で貸付けをすることになる場合、その地代の額は果たして「適正な対価」ということができるのでしょうか。あるいは、議会の議決なく貸付けを行なうのは「適正な対価」のない低額貸付けではあるけれども「区財産無償貸付等条例」の規定にのっとって行なわれる貸付けであるので、議会の議決を必要としないという理解なのでしょうか。その場合には、さらに「区財産無償貸付等条例」第4条の第何号に該当することを根拠として議会の議決が必要はないと判断されているのでしょうか。
そもそも、地方公共団体の議会は、地方自治法第96条1項6号により、財産を「適正な対価なくしてこれを(中略)貸し付けること」について原則として議決しなければならないとされています。「議決することができる」のではなく、「議決しなければならない」のです。これはすなわち、財産の処分・貸付は区有財産の管理上、議会に審議・議決する権限があるというにとどまらず、これを注視・監督する義務・責任があるということをも意味しています。この点からも区の安易な判断により、議会・区民のコントロールの及ばないところで適正な対価なくして公有地たる学校跡地を貸付し、これに定期借地権を設定することは議会軽視・区民に対する背信行為であって到底許されるものではありません。営利企業である民間の開発分譲業者が、「区財産無償貸付等条例」にいう「国または地方公共団体」に該当しないことは明らかであり、また「区の指導監督を受け、区の事務・事業を補佐・代行する団体」とも考えられないのであります。その場合、本件(仮称)東松下町計画は、「特に必要がある」と認められたことによってしか議会の議決なく、低額貸付けを行うことを正当化できないはずであります。しかし、「区財産無償貸付等条例」に依りますと第3号の「特に必要がある場合」とは、第1号の「国や地方公共団体」や第2号の「区の事務・事業を補佐・代行する団体」の行なう公用又は公共性の著しく高い事業と並んで規定されているわけですから、少なくともそれと同程度の著しく高い公共性を有する場合に限定されるものというべきであります。果たして、(仮称)神田東松下町計画で行なわれようとしている定期借地権方式によるマンション建設にそれほど高い公共性があるということができるのでしょうか。これには大いに疑問を呈さざるを得ません。
議決の必要性と貸付額の妥当性について、私の指摘に基づき区の見解をお示しください。
最後に,(仮称)東松下町計画において採用されようとしている定期借地権の契約期間が満了する50年以上先の世の中は誰も見たことも経験したこともない世界です。この議場にいる人々の大部分は今問題になっている旧・千桜小学校跡地の50年後の姿を見届けることさえないのです。我々には40年前の外神田区立住宅の苦い教訓があるはずです。このままでは将来、また同じ失敗を東松下町を始め、各地の学校跡地で繰り返すことになるのではないでしょうか。例えば外神田区立住宅に起こっている問題点を具体的にどのように捉え、検証されているのでしょうか。お答えください。
これまで縷々述べてきた多くの問題・課題のある定期借地権方式での学校跡地の再開発は、公有地の有効活用のあり方として著しく妥当性を欠くものといわなければなりません。公有地の有効利用は、50年後100年後の遠い未来を見据えて区のリスクを最小化する一方で、区民の福祉を最大化するものでなければならないはずであります。旧・千桜小学校跡地を始めとする学校跡地の再開発の基本的方向性を、今一度見直すべきではないのでしょうか。
上記の点について、区長並びに関係理事者の明快な答弁を求め「ちよだの声」の代表質問といたします。