令和6年千代田区議会第2回定例会 小林たかや 一般質問全文

〔 小林たかや 議員登壇〕
○1 9 番 小林たかや 議員 令和 6 年第 2 回定例会におきまして、千代田区議会自由民主党として一般質問をいたします。

初めに、 地域コミュニティ活性化の取り組みについて 質問いたします。

3 月 22 日 、 東京新聞では 、 新宿区が地域コミュニティを活性化させるべく 、( 仮称 町会・自治 会活性化推進条例の令和7年度施行 を検討していると報じられました。 町会や自治会は 、担い手不足が 深刻化しており、区民や学校、事業者、マンション管理者などとの連携を促して、地域活動を促進させることを目的として おります。(スクリーンを資料画面に切替え)

 

 

3月23日、午後2時から、新宿区の牛込箪笥区民ホール(箪笥町)で、条例の中間の報告会を開くことでした。新宿区によると 、区内には 200の自治会 ・町会があり、防災や防犯、環境美化、福祉など 、 多様な活動を担っております。しかし、生活様式の変化や価値観が多様化していることなどから 、加入率の低下が課題となっております。 (スクリーンの資料画面を切替え)

区内の令和5年度年の加入率は 44% にとどまり、10年前よりも4%下がっております。 こうした現状を受け、区は、令和4年度から条例制定に 向けて、区民の意識調査や町会・自治会との意見交換を実施し、令和5年10月には 、 有識者や区民による条例 検討委員会を設立し、検討を重ねてきました。令和6年度には、素案作成や パブリックコメントを行い、 12月にも区議会定例会に条例案を提出する方針です。 (スクリーンの資料画面を切替え)

この報道によりますと 、 千代田区のお隣の新宿区は 、 地域コミュニティへの取組に危機感を持ち、当区より随分先行しておりま す。千代田区は 、令和 3 年の世論調査で 、 町会の加入している人の割合は 49.8% ですが 、早晩、新宿区のように、加入率が下降するのは火を見るより明らかです。地域コミュニティ活性化について、当区の取組の現状がどうなっているかが不安になりました。 (スクリーン表示を元に戻す)

今期の区議会、区民集会運営協議会のテーマが「これからの地域コミュニティの形成と継承」となって い ますが、 区議会では、 地域コミュニティの定義が整理されておりません。区も同様と推察されます。地域コミュニティについては、佐世保市の説明を参考にしたいと思います 。 (スクリーンを資料画面に切替え)

”地域 コミュニティとは、日常生活での触れ合いや共同活動を通して、連帯感や信頼関係を築きながら、自分たちが住んでいる地域を自分たちの力で自主的に住みよくしていく地域社会のことです。身近なコミュニティ組織とは、 町内会や自治会 、老人クラブ 、子ども会 、婦人部会など 、広域でのコミュニティ組織とは、地区自治協議会、連合町内会、福祉推進協議会、PTA、青少55年健全育成会などです。”(スクリーン表示を元に戻す)

では、なぜ、今、地域コミュニティが問題なのかと い うと 、 少子高齢化や核家族化の進行により、社会環境の変化に伴う生活様式の多様化や地域に対する考え方の違いなどにより、地域活動に参加しない人や地域での関わりを持とうとしない人が多くなっていて 、住民同士の連帯感やつながりが希薄化が見られるからです。
一方で、大きな災害等の非常時の助け合いや 、子ども、高齢者の見守りなど 、地域の防災・防犯対策では、地域を基盤として、 人と人とのつながりの大切さが改めて認識されています。こうした状況の中、複雑化、広域化した新しい課題も増え 、町会単独や既存の地域団体では対応が難しくなってきており、地域住民や各種団体が協力し合って、力を合わせて対処していくことが必要となってい ます。

ここで、4点質問します。

1、区長の住民自治の 在り方 、地域コミュニティの 在り方 についてのご見解をお示しください。

2、区の地域コミュニティの定義をお示しください。特に 、町会や自治会と の 他の地域 コミュニティとの違いを併せてお示しください。

3、区の人口は、5月1日現在 、6万9 107 人と増加傾向にありますが 、町会・自治会の加入率は5割を切っています。その他の5割以上 には、どの ようなコミュニティ に属しているのか。それぞれのコミュニティの課題をお答えください。

4、町会・自治会の現時点での加入率とその傾向、現在実施されている対策をお答えください。その他のコミュニティへ対策がなされていれば、併せてお答えください。

京都市で は、地域 コミュニティの低下を 危惧して、平成23 年 11月11日に、 地域自治を担う住民組織、事業者等との連携の下 、 地域住民が行う地域活動を支援し、地域コミュニティの活性化を推進 することにより 、 将来にわたって地域住民が支え合い、安心して快適に暮らすことができる地域コミュニティを実現する京都 市 地域コミュニティ 活性化 推進 条例 が制定されております。条例は、誰にでも 分かりやすく、 パンフレットやマンガ冊子を取り入れております。 (スクリーンを資料画面に切替え)

条例により 、市は自治会・町内会を中心とする地域コミュニティに対し 、引っ越してきた人に近所の方が積極的に声をかけて、自治会・町内会の案内をした り、 以前から住んでいる未加入の 方 に加入の案内をするなど 、 勧誘活動の応援をしております。 (スクリーン の資料画面を切替え)

条例では、自治会・町内会等で構成する学区単位の組織 自治 連合会 など を地域自治を担う住民組織と位置 づ けて、京都市は 、 住民組織を尊重し、支援することを義務づけています。 (スクリーンの資料画面を切替え)

条例では、地域住民の役割や 住宅関連をはじめとする事業者の責務を定めており、地域住民、事業者、京都市が一体となった地域コミュニティの活性化を目指すものとなっています。 (スクリーンの資料画面を切替え

また、具体的には、地域コミュニティサポートセンター を設置して、自治会・町内会の運営や 、(スクリーンの資料画面を切替え 地域の活性化に関する総合相談窓口を設けています 。相談に応じて、規約などの見本提供、 他地域での取組事例 の紹介などを行って います。 (スクリーンの資料画面を切替え) マンションと地域を橋渡しするため、マンションを新築する場合には、建築、販売、賃貸、管理の事業者ごとに、地域との連絡調整担当者を届け出ることを義務づけてい ます。(スクリーンの資料画面を切替え)

提出された担当者届は 、 町内会等が請求があれば開示ができ、その情報が活用できます。事前のトラブル回避、町会加入その情報が活用できます。事前のトラブル回避、町会加入等の呼びかけも可能にな等の呼びかけも可能になるのであります。(スクリーン表示を元に戻す)

上記のような先進自治体の取組を参考にして、千代田区としても 、地域コミュニティの課題を体系的に整理しなくてはなりません。町会・自治会を地域コミュニティになくてはならない存在と位置づけ、町会・自治会は 、区民や地域で活動する様々な主体の活動に参加、協力、連携できるよう 、学校や事業者などを巻き込んだ協働を促して進めなくてはならないことは自明の理です。

ここで質問します。
千代田区も 、条例により、暮らしやすいまちを実現しなくてはなりません。
先進自治体の取組を参考に条例が必要だと考えますが 、 区長、副区長の見解を求めます。

次に、 不登校対策としての校内教育支援センターについて、質問いたします。(スクリーンを資料画面に切替え)

不登校生の小中学生の増加が止まらず 、文部科学省の発表には、令和4年度の不登校調査では、前年度に比べ 、2 割増の過去最多の30万を上回りました。 (スクリーンの資料画面を切替え)
その中の38.2%、11万4000人余りが 学校内外で専門家らの相談や支援を受けられておりません。相談支援を受けられていない小中学生は、当然、勉強することができません 。少しでも早く相談や支援が受けられるようにしなくてはなりません。 (スクリーン表示を元に戻す)

現在、千代田区は、不登校児童・生徒の支援として、4つの柱で対応を組み立ててい ます。

 

①校内教育 支援センター、 以後、 スペシャルサポートルーム 、 省略して SSR と言います。
②適応指導教室、はくちょう教室、以後ははくちょう教室と言います。
③VLP、 バーチャル・ラーニング・プラットフォーム 、 以後 、VLP と言います。
④フリースクール の4つに 分けられます。

整理上  ① のSSR は学校内に設置され てい ます。② のはくちょう教室 は学校外で通所 、VLPは 仮想空間 、 ④ の フリースクールは学校外・教育委員会の管理外となります。

まず初めに、不登校生徒・児童がそれぞれ SSR、はくちょう教室、VLP、フリースクールにどれぐらいいて、どれぐらいの割合でサービスを利用しているのか、また、必要としているのか。不登校の実態を把握すべく、具体的に数字を把握しているか 、調査しているのか、お示しください。

この中で、今回は、学校とはくちょう教室の間にあるSSRについて、主にお伺いしたいと思います 。

今年度から 、全学校、小学校8校、中学校2校、九段中等教育学校に設置されました。クラスに入りづらい児童・生徒が落ち着いた空間の中で自分に合ったスペースで学習 、生活できる環境を学校内に設置しております。不登校の児童 ・ 生徒が学校を身近に感じ、他の 児童・生徒も 、教員も不登校の児童・生徒が身近にいることを感じることができるため、それぞれの成長につながる施設です。SSRの設置で、学校の中に居場所をつくることは大きな意味があります。不登校児童・生徒が気軽に入れる、まさに特別なお部屋です。新しい居場所が校内に設置されたということに大きな意味があります。

ここでお伺いします。

校長 、 教員はこの こと を理解され ておられるでしょうか。 合理的配慮をすることで、教室で授業を受けられる子どもがいます。学校側は、その配慮を怠り、特性、個性のある子どもを排除する排除するための、学校にとって都合のよいSSRであってはなりません。これを理解されていない学校には、もう1つ 、 気軽に利用できる安全基地としての部屋が必要になります。いかがですか。

続いて、6点、お伺いします。
①SSR設置に当たり 、当事者の方向を向いて、当事者に必要なことをきちんと聞き取りして進められたのでしょうか。
②学校として、全生徒にSSR設置をどのように周知し、広報いたしましたか。このサービスの利用者は何人ぐらいいますか。不登校生徒・ 児童、保護者には、それぞれどのように周知し、広報活動を行いましたか。
③人材の確保が重要ですが、SSRは何と当初予算に計上されておりません。 物品費については 、その場しのぎの感があります。 パーティションで仕切るだけでは、声が抜けてしまい、困ることもあると聞いています。どうするのでしょうか。
④ 予算がないため 、適当なスペースが見当たらず、無理に設置していませんか。今までのフリースペースに設置してしまい 、SSRにも行けない不登校児童 ・生徒を追い出したりしていません か。早急に一律に設置したことで、無理はありませんか。本来 、施設としての環境整備には配慮して進められましたか。環境整備をどう充実させるつも りですか。
⑤現時点で変化 、実績はありますか。どのような成果が得られていますか。(スクリーンを資料画面に切替え
⑥既に先行して実績を上げている学校があるならば、その学校を今後のSSRのモデル校にしてはいかがでしょうか。 (スクリーンの資料画面を切替え)

リーダー校として、ハード支援も充実させて展開すれば、身近に相談 ・ 支援活動を無理なく進めることが可能になると思います 。 (スクリーンの資料画面を切替え )
ハードの実例として、 新規移転の児童・家庭支援センターに設置されたBOXルームをご覧いただいています 。 いかがでしょうか。お答えください。 (スクリーン表示を元に戻す)

さて、令和5年第4回定例会で同様の一般質問に答弁を頂いておきましたので、以下 、進捗状況を3点お伺いしたいと思います 。

1、はくちょう教室が今年度から移転して拡充され、新しくなりました。今までの教育委員会が把握している課題は解決されたのでしょうか 、 お答えください。
2、 民間のフリースクール等との 連携は進んでいるのでしょうか。活動内容の調査や視察、研究を行うとのことですが、どこまで連携が進みましたか 、 現状と課題をお答えください。
3、VLP は、どのような現状で、どのように展開していくつもりですか、お答えください。

今回は 、SSRを中心に質問いたしましたが 、不登校児童・生徒は 包括してフォローしていかなくては なりません。本年、千代田区は、千代田区教育と文化に関する大綱、千代田区子育て・教育ビジョンが 改定されました。区長がつくる大綱と教育長のつくる ビジョンの中で、 区長部局と教育委員会において、不登校対策について、どのような議論を行い、どのように記載されていて、どのように実行していくのでしょうか 、区長、教育長のご見解をお示しください。

以上、明快な答弁を求め 、質問といたします。 (拍手)