秋葉原地区の街の変貌と先端技術についての国内行政調査報告(案)

平成21年4月27日(月) 午後1時00分~午後3時30分

先ず、先端技術の調査として 富士ソフト株式会社を訪問。
楕円形の会議室でこのビル(アキバプラザ)の概要説明をうけたのち、現場視察。
1. アキバシアター:試写室として最適 デジタルシネマ上映・試写やハイビジョン映像
プレゼンテーション 81人収容 実際に試写を体感する。
2.映像スタジオ  :編集・映像・収録スタジオを見学。放送・インターネット配信可能
3.セミナールーム1:講堂 扇形 階段式 121人収容
部屋の形状によりステージからすべての席が見渡せる。
1席が広くゆったりしている。壁が陶器で音を吸収し聞きやすい構造
4.レセプションホール:パーティー・懇親会用 全長43m モザイク壁画
2分割もできる。立食で160人収容。
5.その他      :ホール・空中会議室などがある。
ホールは国際会議対応で196人収容。昨年は10回国際会議開催

施設の規模や最新機器に圧倒された。
富士ソフトが何の仕事をしているかわからなかった。お伺いしたところ代表的には、携帯電話の神経部分のシステムやロボット開発、日本のテレビ40%に組込チップ富士ソフト製、アナログテレビ対応のデジタル放送チューナーは、富士ソフトが主流。この秋葉原ビルの社員ほとんどが技術職で従業委員約2000人アキバに在勤。現在アキバでは、アニメ・マスコミの記者発表、3Dやデジタルシネマの試写会を開催している。
また、東大と一緒に最先端医療分野、軟骨再生プロジェクトを始めている。
富士ソフトとして、最先端分野のどの部分に特化するかまだ決めかねているほど、様々な商売チャンスがあり、様々な分野にチャレンジしている。
アキバプラザを見て、制作したものを発表し,広めていくという一貫性が感じとれた。会社自体もソフトウエア-の会社として一貫性があるように思われる。
富士という名前から、関連会社があるように考えていたが独立系であるところは、魅力である。TMOに出資もしており、千代田区や地域、TMOに協力的である。今後、富士ソフトを一つの核として、千代田区・TMOや地域と新しい関係を構築することが可能。新しい観光産業が芽生える可能性がある。アキバプラザは、新築であり、なじみがないので秋葉原駅などからアキバプラザ玄関までの動線がわかりにくいのが残念。

次にTMO 秋葉原タウンマネジメント株式会社事務所を訪問。
前千代田区まちづくり推進部公園河川課長土本氏が本年退職後TMOの社員となっており、TMOの現状説明をうけた。
TMOは、この地域の情報の集まるセンター的役割がある。そのためにもこの地域をよく知っている人が現場に出て様々な事業をやらなくてはならない。これらに対応した組織作りを進めて行かないと将来がない。人事採用を含めた新しい体制作りを今後期待したい。

次にヨドバシカメラ前から、千代田区有料トイレ。「オアシス@akiba」を視察。
「オアシス@akiba」は、 有料トイレ、喫煙スペース、情報コーナーで構成される。情報発信機能が重要だが、充分活用されていない。TMOを含めて、情報発信機能の充実が先決。

次に、TX駅ビルアキバトリム・東西自由通路を通りラジオセンターへ
戦後より脈々と続く、パーツ屋さんを見学するが旧部品、新部品、新製品が陳列されて活気がある。まだ、専門的部品屋が数多く存在することを確認。

次に、旧万世橋警察跡地周辺を視察。
ここは、旧万世橋警察跡地の一部と万世橋出張所が千代田区の土地。万世橋出張所は、合築であり、一体利用の場合は、解体が課題。この土地だけでは、敷地が狭く利用困難。隣地も含めて今まで、外神田1丁目計画として進めているがここの一体開発は、秋葉原地域の発展に欠かせない。産業観光の拠点としての利用も視野にいれて再開を考慮すべき。

次に、旧街づくりハウスアキバ跡地・秋月電子通商付近を視察。
旧街づくりハウスアキバ跡地から、角の1軒を除き旧ラオックスコンピューター館まで
520坪が土地売買の対象となっており、今後建てかえの機運がある。
それまで、旧街づくりハウスアキバ跡地の暫定利用が可能。有効利用を考えるべき。

次に、おでん缶自販機前・リナックスカフェ((財)まちみらい千代田管理)を視察。
かつて、飲食店が少なかった時代に現れたおでん缶詰の自販機。食べる時間を惜しんで買い物をする人が購入した。こういう新しい商売を考えて売る場所がアキバ。
リナックスカフェは、以前、区が遺贈を受けて整備したビルを賃貸している。
古いビルであり今後、アキバの活性化の役割を担えるかは、検討課題。

次にガチャポン会館を視察。(アキバのポップカルチャーを代表するお店)
1階は、ガシャガシャ、ガチャポン(カプセル)自動販売機が店中に設置してある。中身は、いろいろなキャラクターフィギュア等が入っている。
2Fは、コスプレのお店。コスプレする人のコスチュームやキャラクターもののTシャツ、コスプレする人のアイテムなどを扱っている。
3Fは、ホビーショップ。食玩やガシャポンを新品、中古品の販売もしている。
かつて欲しかった食玩やおまけがある。
4Fは、レンタルショーケース、委託販売するフロアー。ショーケースを借りて個人が出品して飾り付けし販売してる。レンタルショーケース一つ一つが個々のお店。
5Fは、トイとフィギュアのお店。他では見かけない珍しいものやディズニーグッズ、浮世絵風のフィギュア、海外ものもある。
6Fは、メイドカフェ。秋葉原1号店の老舗メイド喫茶。ウエイトレスさんがメイドのコスチュームをしているだけの普通の喫茶店。店にでは、グッズも売っている。

最後に中央通りを視察。
最近、中央通りに新しく開店した店舗は、飲食店かゲーム・アニメ・フィギュア店が多く家電店、電気店はない。ポップカルチャーのお店を核として町並みがかわったと言える。
次に来る店は、また新しい商売をする。
この地域もお客さんの変化を早くとらえて、変化に対応してきた。レンタルショーケースのように新しい商売は、ゲーム店でスタートしたお店もゲームの在庫をたくさん持てば成り立たず、レンタルショーケースを考え出した。変化に対応して、新しいお店が生まれている。

秋葉原地は、常に変化を繰り返しながら進化している。
現在、再開発で生まれた新しい企業と今まで変化を続けながら発展してきた企業が共存している。
研究者、マニア、学者が集まり、また、オタクと呼ばれるサブカルチャー、趣味に没頭する人々も集まっている。これらを有機的に結びつけることができれば新旧合わせて、新しい付加価値を付け加え、新たな発展が期待できる。そして、更に多くの人材が集まってくるだろう。
そのためには、企業や人々が交わる場所の提供とそれをコーディネイトする人が必要になる。場の提供とコーディネイトする人の育成が秋葉原で産業観光を推進する上で重要なポイントにつながると考える。