H30年第3回定例会小林たかや一般質問

自由民主党議員団の小林たかやです。本日は、3点の一般質問を致します。

日本では2年後の東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向け、「おもてなし」を実現するための様々な取り組みが、各地各所で進んでいます。

「おもてなし」とは、おもても裏もない心で、心地よく一緒に過ごそうと、思いやること。心のこもった待遇のこと。顧客に対して心をこめて歓待や接待やサービスをすることを言います。今回質問する3点、「客引き防止対策について」「落書き・張り紙防止に対する新たな取組について」「喫煙対策について」は、いずれも千代田区として「おもてなし」を実現するための大変重要な取組であると考えます。前向きな答弁を期待しながら質問します。

1.はじめに「客引き防止対策について」お伺いします。

駅周辺の繁華街など一部の地域で客引き行為などが目立ち、通行の妨げやまちのイメージの低下など様々な悪影響が生じています。

区では、平成26年3月公共の場所における客引き行為等の防止に関する条例を制定し、地域や警察と連携してパトロールを行うなど、客引き行為等の防止に取り組んできました。特に客引き行為が目立つ、秋葉原東部地域及び神田駅周辺地域を重点地区に指定して、その地域ではそれぞれの推進団体が地域ルールに基づいて、安全で快適なまちの実現のために、客引き行為等の防止のための活動に日々大変な努力をしています。

しかし、地域の方々には、取り締まりのための権限、いわゆる決定打、切り札がないため、実効性のある取り組みが行われにくく、なかなか効果が表れないことから、依然として区に苦情が寄せられている現状です。

条例制定後、4年半が経過していますがこれまでの取り組みの効果の検証と今後、実効性を上げるための方策について、次の通り質問します。

①重点地区の指定の考え方について伺う、現在まで何カ所指定し、パトロールの実績とその効果についてどのように評価していますか。

②地域の推進団体の組織づくりが、進まない原因は何か、

対策は取られていますか。

③客引き行為禁止の周知看板は何カ所設置され、その効果の検証はなされていますか。

④客引き防止を啓発する街頭スピーカーは、どこに何台設置されていて、そのアナウンスによる効果と検証はどのようになされていますか。

⑤本年度より青パトを3台体制とし、安全・安心パトロールの回数を増やしていますがその効果と検証は如何ですか。

⑥条例違反に基づく「改善命令」「事実公表」は、今までなされておりませんが今後行う予定はあるのか、行わない場合、条例違反者が存在する現状をどのように打開していくつもりか、ご見解をお示しください。

⑦現状、生活環境指導員は、路上禁煙の取り締まりが主ですが客引き防止対策要員としても活用できないのですか。

⑧民間警備員によるパトロールの実績と今後の活用についてご見解をお願いします。

⑨防犯カメラの有効活用が期待されます。防犯カメラで現場を見ながら直接客引きに注意喚起を行い、その撃退効果で客引きが激減している商店街が報道されました。防犯カメラが設置されている商店街でこのような取組を実施してはどうですか。

⑩現在の条例は、区民等の主体的かつ具体的な活動を区が支援するものです。

しかし、区民には取り締まりのための権限、いわゆる決定打、切り札がないため、実効性のある取り組みが行われにくいため、条例違反者とイタチごっこの状況です。

区は、条例に罰則等を盛り込む条例改正を行わない方針と聞いておりますが、それ以外で条例に基づく取り組みの実効性を高める為の方策があるのでしょうか、具体的にお示しください。

 

2.次に「落書き・張り紙防止に対する新たな取組について」お伺いします。

 

私が平成19年第2回定例会で都市景観の美観を損ね、地域防犯意識の低下を招く落書き等について一般質問を行ってから11年が経過しました。生活環境条例におきましても落書きの規定があり、対策してきたはずですが一向に落書き等は減りません。電柱、ガードレールや交通標識への落書きや張られるシールは、地域の防犯力の弱いところをねらって描かれ、放置しておくと増えて行きます。(スクリーンは、秋葉原駅周辺 )

  

新宿区、渋谷区、杉並区等で、まちの壁の落書き等を落として景観を明るくし、犯罪を防ごうと落書き消去・壁画作成キャンペーンを始めたと報道されました。被害に遭った地域は、二度と落書きされないように住民、自治体、企業、学校などが協力して、落書き消去活動と落書きされない工夫をしております。このような活動をしているところは、落書き犯もやりにくく、消去活動が始まったことでこの地域での被害は避けられるようになります。
新宿区では、平成26年から「歌舞伎町アートプロジェクト」が始動しています。アート作品を屋外のあちこちに描きまち全体に賑わいと活力を生み出すとともに、作品のある建物や壁には落書きがなくなっているといった効果があるそうです。(スクリーンは、歌舞伎町アートプロジェクト) 

  

 

 

 

 

従来の取組では、悪質な落書き等は解消することが難しいのです。

そこで、新宿区が取り組む逆転の発想を積極的に取り入れては如何でしょうか。ご見解をお伺いします。

 

3.最後に「喫煙対策について」お伺いします。

喫煙については、受動喫煙等の健康管理面から、近年ますます禁煙化が進んできています。区では、先駆的に条例に基づく取り組みを行なっており、路上での喫煙など、面的な規制を区内全域にかけています。これに加えて最近では都が条例により施設内の規制をかけたため、本区においては屋外でも屋内でもたばこを吸う場所が極端に減っています。その結果、千代田区内の喫煙者たちは裏通りや路地裏で喫煙して人知れず吸い殻だけを残すようになり、近隣住民が困り果てる環境を作り上げることに繋がってしまっています。

平成26年3月の定例会で環境文教委員会から、たばこに関連する生活環境整備の付帯決議が提出されたのは、区長覚えていますか。

付帯決議では、

1.「公園での喫煙対策の基本方針」を踏まえつつ、非喫煙者にも十分に配慮しながら、分散型の喫煙所を確保すること。
2。公園等への路上禁煙地区の指定にあたっては、地域や関係機関と十分に協議するとともに、代替となる喫煙所を確保すること。
3。2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催を見据え、生活環境条例の規制内容や「喫煙所の見える化」を進めるよう周知方法等について検討すること等が決議されました。

しかし、付帯決議以降も区によってそれらが実行されていないことが原因で、今日、大きな問題を生み出しつつあります。区ではこれまでも、喫煙所設置のための取り組みを行なってきましたが、禁煙化の進捗に比べると喫煙する場所については減る一方であり、設置も大幅に遅れている現状にあります。

私は、早めに手を打つべきと主張し、密閉型の喫煙所、喫煙トレーラーハウスなどの提案をしてきました。密閉型はいまだ芳林公園の一か所のみですし、喫煙トレーラーハウスについては、やっと予算化され実施するとのことです。

ここで質問します。

  • 芳林公園の密閉型喫煙所の効果の検証と今後の密閉型喫煙所の整備についての課題整理はどのようになっていますか。
  • 保育園の代替園庭となる公園は全面禁煙化したことから、区内の数少ない喫煙できる公園に吸い場所を求めた喫煙者が集中しています。

特に練成公園は、区民からの苦情が耐えません。練成公園に密閉型喫煙所を配置するか喫煙トレーラーハウスが設置出来るように改修する検討は、出来ないでしょうか。

  • 密閉型喫煙所と喫煙トレーラーハウスの双方の効果検証を踏まえ、今後の喫煙場所の設置の方向性についての認識をお示しください。
  • また、区内のたばこ小売事業者は、吸う場所がないことによるたばこの売り上げの低迷に悲鳴を上げています。その上、今年10月1日よりたばこは、1本あたり1円、2019年は据置、2020年にさらに1円、2021年にはさらに1円の計1本あたり3円値上げされます。

1箱20本なら、60円値上げとなります。

現状では区の歳入として、約36億円ものたばこ税収入があることから、これを財源とし、吸う人のために専用の喫煙所を設置し、喫煙者と共存するための方策を講じることが必要ではないでしょうか。

ご見解をお示しください。

 

  • 今までもろもろ質問してきましたが最後に

区が進める民間の喫煙所設置協力を待つだけでは、限界にきています。

喫煙所設置には、もう時間がありません。

喫煙所の設置については、ちよだみらいプロジェクトでは平成31年度に75か所設置を目標としていますが、設置に際しての現在の課題認識と今後の取り組みの方向性を(具体的にいつ、誰が、何を、どのように、いくつ設置するのか)お示しください。

ありとあらゆる知恵を絞って対応が必要です。ご見解を求めます。

 

上記の点について、区長並びに関係理事者の明快な答弁を求め質問といたします。