平成29年11月第4回定例会小林たかや一般質問
平成29年第4回定例会に当たり、一般質問をいたします。
始めに、「点字ブロック(視覚障害者誘導用ブロック)について」、お伺いします。
今年は、雨が多く晴れの日に外を歩くことが少なかったのですが、たまたま晴れの日、歩道を歩いていると、前を歩いている女性が水たまりの点字ブロックで滑り転んでしまいました。かつて私も自転車で点字ブロックにより滑り、危ない思いをしたことがあります。
本来点字ブロックは、視覚障害者の安全歩行のために作られたものなのに健常者が転んだり自転車が滑って歩行者を危うくするのは、本末転倒ではないかとの疑問から歩道上の点字ブロック設置について区のご見解をお伺いします。
点字ブロックとは、視覚障害者がひとりで安全な歩行ができるよう日本で考案された地面や床面に敷設されている突起の付いたブロック(プレート)のことです。突起の形状で、停止や進行方向を知らせています。正式名称は『視覚障害者誘導用ブロック』と言います。
足の裏の感覚や白杖でその存在や形状を確認できるようにするため、30センチ×30センチのブロックの表面に突起がついているのが特徴です。また、視力の弱い方でも識別しやすいように、黄色が推奨されています。色については法的な規定はありません。点字ブロックの突起の形状と寸法は、平成13年(2001年)に日本工業規格(JIS)により統一されました。(規格番号T9251)
それ以前には様々なタイプの点字パターンが採用され、現在はJIS 規格と規格外のものが混在している状態です。
(点字ブロックの種類と役割についてスクリーン投射)
点字ブロックの種類と役割について
誘導ブロック(線状ブロック)※線状の突起が、移動の方向を案内します。
警告ブロック(点状ブロック)※点状の突起があります。
危険な場所や目的地を表します。階段前、横断歩道前、誘導ブロックが交差する分岐点、案内板やエレベーターの前などに設置されています。
内方(ないほう)線(せん)付き点状ブロック(駅のホームの特別なブロック)
警告ブロックに加え、線が一本加わり、どちら側に電車がくるのか分かるようになっています。
では、千代田区の道路の点字ブロックの設置状況を見てみましょう。
- 神田小川町、靖國通り歩道途中で色違い点字ブロック
- 神田小川町、靖國通り歩道工事中 障がい物
- 神田神保町、靖國通り歩道グレーの点字ブロック
- 九段下 歩道に水がたまりで滑りやすい点字ブロック
- 神田神保町、靖國通りまだらの点字ブロック
- 神田神保町、靖國通り本屋さん側はグレー
- 神田神保町、靖國通り横断歩道もグレー
- 神田神保町、靖國通り横断を渡ると反対側は黄色になってます。
- 区内では景観上、グレー等を採用している箇所があります。
道路は、つながっています。点字ブロック設置がバラバラでは視覚障がい者にとっては、形状や寸法、色が違うと非常に分かりづらいです。
広い歩道でも、途中で点字ブロックが切れていたり、なくなったりしています。
先ず、区は点字ブロックにつて、どのような認識でいるのかお答えください。
次に道路・公共施設に設置されている点字ブロックの問題点についてお伺いします。
- 先ほどの写真でお示ししましたが色について法的な基準がないので、景観上、歩道に溶け込むようなグレー色などの点字ブロックが増えてきています。歩道と同系色、または同素材のブロックでは、弱視や色弱者の方々は識別が困難です。今後はどうするつもりですか。
- 点字ブロック上に商品や荷物、工事作業のカラーコーンや柵、自転車、自動車など置かれていることが多々あります。どのような指導や注意喚起を行ない対処しているのですか。
- 点字ブロックを滑り止めと間違えて、その上を歩いてしまう人や点字ブロックの意味を無理解な人もいます。区として一般の方々に啓発活動や子どもたち、小中学校でその意味を伝えておりますか。私は積極的に注意喚起、啓発活動をすべきと思いますがお答えください。
- 点字ブロック自体が高齢者や幼児、車いすやベビーカーの障害となったり、一般歩行者でも雨天時や凍結時、滑る等の指摘がされています。ご見解は如何ですか。
次に
区役所と高齢者総合サポートセンター「かがやきプラザ」の
点字ブロックが甚だしく相違している点についてお伺いいたします。
千代田区役所本庁舎の視覚障害者誘導用ブロックは、お茶の水の井上眼科クリニックと同じで素晴らしいものです。床の通路部分に、菱形のタイルが埋め込んであります。足の裏の感触や、白杖を突いた時の音で通路を知らせる工夫です。車椅子やハイヒールを履いた人にも安全で、床は、歩く感触が優しくて転んでも怪我をしにくいカーペット張りです。カーペットの色は、落とした物を見つけやすいように、濃いグレー色にしています。
それに比べ、「かがやきプラザ」の4階5階の点字ブロックは、区役所より後に完成したにもかかわらずこのような造りには全くなっておりません。それどころか、誘導ブロックはありません。
千代田区役所本庁舎の点字ブロックEV側
千代田区役所本庁舎の点字ブロック通路側
かがやきプラザ4階5階はEV側警告ブロックのみ
かがやきプラザ4階5階の廊下誘導ブロック無し
驚いたことには、「かがやきプラザ」から出て、千代田区役所に向かう交差点の信号に設置された点字ブロックは、途中で無くなっています。
先日、視覚障害者から「信号の押すボタンがどこにあるかわからないので、あきらめて使っていない」と聞きました。
点字ブロックが中断し、信号ボタンに行き着かない
肝心な所で無くなっている点字ブロック
高齢者総合サポートセンター「かがやきプラザ」は、中も外も視覚障害者対応がなされていません。
ここで質問します。
- 施設を造るときに設計段階で当事者の意見を聞いたのですか。
- この状況は、直ぐに対応しないとならないと思いますが如何するのかお答えください。
- 区内の道路上で「かがやきプラザ」のような視覚障害者にいちじるしく不便な点字ブロックがあれば、至急改修するおつもりですか。
お答えください。
街が慌ただしく変化する現在、点字ブロックについては、根本的に見直す時期に来ています。
点字ブロック素材の改善や点字ブロックによる誘導だけではなく、音声案内を併用する事によって、「現在位置や目的地の方向、進行方向にある施設名などの音声案内」を、視覚障害者に認知させるブロックボイスが、限られた場所だけで無く必要になってきます。
私は、点字ブロック設置の法律や条例を守っているだけでは、適正に点字ブロックを整備することは出来ないと考えております。
区としての整備方針を立てなくてはならないのではないでしょうか。
点字ブロック等設置や整備方針作成にあたっては、視覚障害者をはじめ、障害を持っている人たち当事者や関係者を入れなくてはならないと思います。
今後、如何するつもりなのかお答えください。
最後に
「情報セキュリティ確保に向けた体制について」お伺いいたします。
この夏、突然区役所とメールのやり取りが出来なくなりました。
送信したメールは、戻って来る、添付したはずの写真が届かず困っていました。担当部署に確認するとメールのアドレスを変えたとの回答がありました。メールアドレスを変更する場合、変更前に知らせる事は現代社会の常識となっております。このような当り前のことができず、それを何の前触れもなく実施してしまう。こんなことで千代田区は区民に身近な自治体と言えるのでしょうか。
写真や画像の送信を用いて電子メールで区とコミュニケーションを取れないのは執行体制として問題があると思います。
先ず、始めにこの点について区のご見解をお伺いいたします。
次に
- メールアドレスの変更はいつ、誰が決めたのでしょうか。
- 利用者すべてに周知をしましたか。急に連絡が取れなくなった区民がいるが、どうように対処しましたか。また、区役所の区民との連絡の取り方について、どのように考えているのかお答えください。
区は、大きく2つのシステム運用を行っております。一つは、内部管理業務とインターネットを利用するための「全庁LAN」、もう一つは住民総合情報を管理する「基幹系システム」です。予算ベースは、これらを運用するためリプレースを含めて平成28年度に6億円、平成29年度に10億円を当てております。
現在、11月13日から千代田図書館のホームページに不具合が生じており、2週間経った今も復旧の目途が立っておりません。不具合の告知も大分遅れて表示され、利用者は不便を強いられております。
このような最近の事象を踏まえ、八問、質問します。
- 全庁LANの運用保守体制について 全庁LAN、基幹系システム運営・リプレースにこれまでかけた費用の推移と内容についてお示しください。
- システム導入運用にあたり、どういう体制で進めているかお答えください。
- 今年実施した、情報セキュリティ強化の内容について、具体的に何をしたか。各部署で不具合が発生しているがつかんでいるか。どう対応しようとしているか。
- 情報セキュリティ強靭化対策で事務処理に大きな影響を及ばしているのではないか。事務処理で具体的な変更点は何か。事務改善に関する検討は行ったか。このシステムを踏まえた仕事の進め方(内部業務、外部との連絡)について整理はなされているか。
- 何故そこまでしてセキュリティの強化をしなければならなかったか。
- これで情報漏洩、ウイルス感染は回避できるのか。
- 区民への利便性の低下について検討は行ったか。お答えください。
- 図書館の不具合のように指定管理者についても責任は区にあり、区全体の信頼性につながります。どのようにご対応するかお答えください。
そもそも、ITCのような専門性の高い業務は、開発と業務遂行を管理できる能力のある職員が必要です。毎年7億円近い予算を使う現状で、現実として、IT推進課にそのような人材が在籍しているのですか。
ここで質問します。
- IT推進課は、どのような体制になっており、職員でスキル・ノウハウある職員は何人いるのか。職員体制は、どのようになっているのかお答えください。
- IT人材育成について、職員定数条例で人員採用が限られている中で人材の採用、育成について、これまでどのようにしてきたのか、これまでの研修体制も含めてお答えください。
情報セキュリティ強靭化対策で事務処理が高度で複雑になってしまった現在、職員への研修は勿論ですが、区全体のIT研修が必要だと思います。
特に、経営層である区長・副区長・教育長や事業部長をはじめとする管理職とチェック機能の区議会への研修を通じて知識・意識向上とその定着が不可欠であると考えます。この研修は、講義よ講習だけでなく先進企業への訪問や先進自治体との意見交換等も含めてより実践的な形態で実施を検討する必要があります。区のご見解をお伺いいたします。
上記の点について、区長の明快な答弁を求め質問といたします。