平成28年第2回定例会代表質問への回答
小林たかやの質問した免震について以下の回答を頂きました。
(ご注意:内容は未定稿の内容になりますことご了承ください)
代表質問内容についてはこちらからご確認ください。
○区長(石川雅己君) 小林たかや議員のご質問にお答えいたします。
まず、災害発生時における学校を初め、公共施設の重要性に関するご質問と思います。
公共施設の整備に当たっては、安全性を確保することを最も重要な視点として考えることは、言うまでもないことと思います。現在と申しますか、「28年熊本地震」におきまして、役所の庁舎、学校など公共施設耐震化の重要性は改めて再認識をしたところであります。そして、私のほうは、「熊本地震」における耐震建築物や耐震改修建築物の被害原因について、さらに詳細な調査が必要だということで、さまざまな観点から調べておりますし、専門家の意見も聞きたいと思っております。
まさに、「災害発生は防げないわけですが、被害は減ずることができる」という認識のもとに、災害発生後の対応に万全を期しております。特に災害対策本部や避難所となる公共施設の耐震の改修につきましては、安全性の確保にとどまらず、発災後の対応拠点として機能が継続できるように、十分な耐震性を確保するために必要な改修や建てかえを、精力的に今までも進めてまいりました。特に災害対策本部となります本庁舎の移転につきましては、さまざまなご意見があり、賛否両論が交わされた中で、採決の結果、議案は可決され、平成19年5月に、この場所に業務を移したわけでございます。
5年余り前、東日本大震災の際に、私自身、自ら旧庁舎に入ってみたところ、壁や天井が崩落している箇所が幾つもあり、改めて旧庁舎での業務をしていたら、職員及びあの時間でございますから来庁中の区民に大変な被害があったろうと想像できますし、まさに区役所の本庁舎がああいう状況であれば、さまざまに、災害対策だけではなくて、仮の事務所を設けるという意味で膨大なエネルギーがかかるだろうということから考えますと、あの本庁舎をこちらに移したことの判断は的確であったと実感をしております。
次に、これらの整備する公共施設の耐震化についてでありますが、耐震構造、免震構造、制振構造とありますが、それぞれの敷地の形態や周辺状況、建物に求められる機能など、建物の条件によって最適な構造方法を選択しているものと考えております。
なお、詳細については、関係理事者をもって答弁いたさせます。
○政策経営部長(歌川さとみ君) 小林たかや議員のご質問に区長答弁を補足してお答えをいたします。
建築物の構造設計に関しては、建築基準法を初めとして、さまざまな基準や指針がございます。さらに、東京都並びに23区においては、学校を初め、公共建築物を設計する際、統一の構造に関する設計指針を定め、運用しているところでございます。これらの設計指針を踏まえ、当該建築物に必要な機能、諸性能や、地上部の階数や高さ、さらには敷地状況などを勘案し、構造種別を選定することになります。
区有施設の構造設計に当たっては、大地震発生時に人命の安全を確保できることが最優先されることは言うまでもございません。その上で、極めてまれに発生する大地震に備え、災害時における施設の役割に応じて、構造耐力の割り増し、強化を図っております。具体的には、本庁舎など、災害対策活動に重要な施設では、50%の割り増しを、避難所等として位置づけられた学校施設等においては、25%の割り増しを行っております。
議員ご推奨の免震構造は、柱や梁などの構造部材を一般の耐震構造建築物よりも小さくすることが可能となることや、高層建築物では、揺れによる屋内家具転倒の抑制ができること等は認識をしております。耐震構造と比べて一般的にコストが割高になるとも言われておりますが、敷地条件や建物プランなどの制約条件等が整えば、採用に値すると考えております。しかし、一方で、免震構造を採用するためには、敷地内でのクリアランスの確保、すなわち敷地に余裕があることが必須条件となります。
委員ご質問の麹町二丁目複合施設については、安全性の検討の中で、敷地面積が約6,500平方メートルであり、免震層のクリアランスを建物周囲に確保することが可能であったことや、免震層の設置により耐震構造に比較して柱の列を1列減らすことが可能となり、設計の自由度の増大につながることなどから免震構造を採用した経緯がございます。
麹町二丁目複合施設以降の学校・保育施設の構造についてでございますが、それぞれ十分な安全性の確保を前提に、敷地の形態や状況、設計条件等の要求性能や経済条件・施工期間等を総合的に検討して整備をしてまいりました。現在、改築中の九段小学校については、歴史的建造物として西棟を残すことや、校庭の広さを確保すること、さらには北側擁壁等の関係、その他、教育環境の向上などのさまざまな条件を勘案し、検討した結果、耐震構造を採用しております。
免震構造とするためには、歴史的建造物の保存方法や平面プランなど、全面的な設計見直しを行う必要があり、工事に着手している現在、現実的な対応ではないと考えます。また、議員ご指摘の3件の建築物ですが、区庁舎においては、特に千代田図書館や財務省会計センターなどについて、大地震発生時に内部家具の転倒を防ぐ必要があることから、制振構造が提案され、採用しております。かがやきプラザについては、病院との合築ということで、基本計画段階から被災時における施設の機能低下を最小限に抑えるとともに、平常業務へ早期復旧できることを目的として免震構造を採用しております。
区営東松下町住宅については、高層部分の揺れを抑えることで、屋内の家具の転倒を防ぎ、居住者の安全性を確保できることや、柱や梁の構造体を小さくすることにより、居住空間の向上を図ることが設計者選定時に提案をされ採用を決めたものです。
現在設計中の万世橋出張所ですが、現時点では耐震構造を予定しております。今後行う詳細な構造設計を進める中で、敷地の形態や周辺状況、建築物に求められる機能などを勘案し、最終的に構造種別を選定する予定でございます。
○14番(小林たかや議員) 14番小林たかや、自席より再質問します。
ご答弁いただきましたが、区長、先ほど私が質問したのを聞いていたのかどうかわからないので、もう一度します。
あなたが旧庁舎へ行ったら壊れていたと言いましたよね。それ全部壊れるということですよ、この前のは。2003年より前のものは全て壊れる。だけど公共施設なんです。公共施設というのは、こういう過密な千代田区の社会では、公共施設にみんな頼ってくるんですよ。中小企業も多いし。そのときに、それが今の旧庁舎と同じ状態だったらどうなるんですか。全て機能しないでしょう。それをよかれとして、今の庁舎がよければいいんだと。自分だけ助かればいいんですか。そう聞こえます。ふざけるんではないと言われますよ、これは。
それと、わけのわからない部長がまた答弁をされてましたけど、九段小学校はクリアランスが何だこうだ言っていますけど、設計で全部解決するんですよ。だったら麹町小学校は、答えてないじゃないですか。麹町小学校は何で免震になったんですか。答えてください、これも。狭いんですよ、麹町小学校も、計画して。狭くしても安全を優先して、免震構造をつくったんですよ、世界初の。それを全部、その後つくってないんですよ。
はい。それから、揺れ。結局、揺れにどうなるか。考え方が違うんです。新しい考え方です。熊本地震が起きるまではよかった。でも、これを見たからには、もうこれ以降は免震にしましょうと。安全性の考え方が違うんです。いかにクリアランス、基準を高くしてもだめなんですよ。揺れちゃって。基準は関係ないんだ。基準をクリアするのが当たり前なんです、これは。
それは、初めから法律を守るだけです。安全性を守るということは、次の地震が来れば同じなんです。書きかえていかなくちゃならないんですよ、国も。そこを聞いています。ちゃんと答えてください。
それから、先ほど木村議員も言った、福祉避難所が被災したらできなくなっちゃう。これも免震じゃないから。免震とか、基本的なことができてなかったら、建物が安全でなければこういうことはできないんです。今、区長がやっていることは、子どもの施設と高齢者施設を、常にずっといるところを、安全からは遠ざけてつくっていると。つくり続けるというふうに言われたと思います。この辺含めて、答えていただかないと困ります。
そもそも免震構造と耐震や制振構造はつくり方が違うんですね。考え方が違うんです。建物に負担がかからないようにつくるのが免震構造です。直下型地震があれば全部、どんな構造をつくってもだめなんですよ。そこに来れば。そんなところにしたら、議論ができなくなっちゃうんです。そうじゃなくて、その一番いいところを、(「九段坂病院……」と呼ぶ者あり)そう、九段坂病院。だって、九段坂病院は、復旧できるために、免震にした。じゃあほかの施設は免震にしなくていいと聞こえちゃいますよ。聞こえました。それを、九段坂病院と合築の高齢者サポートセンターだけを免震にしていく。民間との合築だけをしていく。病院が安全だ、ほかのところ、公共施設は安全じゃなくてもいいと発言しています。子どもたちは切り捨てたということでよろしいんですね。そう私は考えます。
区長の答弁を求めます。
○区長(石川雅己君) 小林(た)議員の再質問にお答えいたします。
私は、そういう答弁をしたつもりはありません。順次、建物の耐震ということは順次やっていくということが基本。ただし、そのときに、敷地の形態や周辺状況、建築物に求められる機能などを考えながら、より安全な建て方をするということでありまして、全て免震でなきゃならないということであるかどうかは、これは、敷地、あるいは形態、周辺状況から判断をするべきだと私は思っております。
以上です。
○政策経営部長(歌川さとみ君) 小林たかや議員の再質問にお答えをいたします。
わけのわからない答弁をしたというご指摘でございますが、九段小学校と麹町小学校の敷地面積には相当な差がございます。まずこの部分について、全くできなくないというお話でしたので、麹町小学校は、先ほど申したとおり6,500平米。九段小学校は4,500平米でございます。それと、設計をし直せば全てが解決するということでございましたが、先ほどご答弁申し上げたとおり、また全面的に最初からやり直すということになると、ここから先どれぐらいの期間がかかるかという意味で、現実的な対応ではないというふうに申し上げました。
それから、議員が最初にご質問の中でもおっしゃっていますけれども、巨大地震が発生するたびに被害を見て耐震基準が改正されている。そういう意味でいうと、現状、免震構造が最適である。免震構造がすぐれているということについては、私ども、否定をしておりませんけれども、それが全てだというわけではないので、先ほど申し上げたとおり、まずは命を守るという安全性を確保した上で、総合的に敷地条件であるとか、工期であるとか、そこの建物に求められる機能、それを勘案して、総合的に判断をし、耐震構造になっているというご答弁を申し上げましたので、繰り返させていただきます。