一般質問内容全文
以下に、本日夕方4時半~5時頃に登壇し、読み上げる予定の内容をお知らせ致します。
確校定平成28年第1回定例会小林たかや一般質問(PDFファイル)
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平成28年第1回定例会に当たり、2点について一般質問します。
先ず始めに、「風ぐるま見直しの再見直しついて」お伺いします。
年が明け、「風ぐるま」の新たな運行が開始しされるやいなや利用者から数多くの苦情が噴出しています。
今回新しくなった「風ぐるま」は、各団体等への説明・意見聴取や区議会の意見も聞きながら進められたものでした。
「風ぐるま」の新規運行に関しての意見の中には、停留所を増やして欲しい。元の路線を廃止しないで欲しい。新旧平行して二つの車両が使えないか検討して欲しい。車椅子の利用がしにくい。バスの椅子が狭い。全便の始発が区役所になっており、以前より運航開始時間が遅くなっている。出張所へのアクセスが悪い等々、他にも当を得た多くの要望がありました。
これらに対し区は、丁寧に聞いて配慮していくとの回答を繰り返していましたが、高齢者総合サポートセンター「かかやきプラザ」(以後「かがやきプラザ」と言います)のオープンに合わせた「新風ぐるま」の導入有りきで、本年1月4日切り替え日程上、指摘や意見を聞いても停留所・ルート・時刻表など運行上最も重要なことは事前に対応すること出来ませんでした。
そもそも、なぜ「風ぐるま」の見直しが全面的に行われるようになったのでしょうか。
区は、「風ぐるま」の見直しにあたり、外部の視点を取り入れて平成23年に外部評価委員会に「風ぐるま」事業を評価させました。
この評価は誠に当を得た内容ですので、ここで2点のみ紹介しておきます。
1点目は、「風ぐるま」は交通弱者を対象として安価な移動手段を確保しており、公共的な課題設定として妥当性がある。ただし、地域福祉タクシーという名目を持ちながら住民の足を確保するためのコミュニティバスとしての実態を有しており、社会的意義をあらためて見つめ直す観点から事業の目的と内容(利用者、ルート、料金等)を一度整理する必要がある。地域交通手段を確保する目的は一定の効果があるが乳幼児子育て中の保護者は利用しづらい。まとめて言うと、交通弱者にとって必要だがコミュニティ目的が広がっていて整理すべきだと言うことです。
2点目は、高齢者や障害者以外の区民の移動手段を、区が確保することが有効であるかといった点について、あらためて検討し、事業対象やルート、利用料金等の抜本的な見直しを図る必要がある。しかし、福祉タクシーと位置付ければ、負担はやむを得ないとしています。
ここで質問します。
区は、外部評価委員会の報告書をどのように受け止め、検証したのですか。
お答えください。
区は、外部評価委員会の的確な指摘を受けてから、平成24年「風ぐるま見直し検討会」を立ち上げました。検討会は平成26年2月提言書をまとめました。
提言書に書かれた「風ぐるま」の利用実態調査では、今まで区が車両を大型にする主な根拠であった定員オーバーは、主に四谷便の通勤時間帯の3便に乗り残しがあったものの1台の臨時便の対応で済んでいました。
驚くことに、提言書では、車両が大型化しても現状のルートの運行は問題ないと確認されていて、始めから効率性快適性重視で大型車両の導入が基本となっておりました。実際は、小回りが利かず、おのずと狭い路地の停留所は廃止されることとなりました。
ここで質問します。
利用実態調査から見ても、現状で便数を増やせば車両問題は対応出来たはずですが、それが検討されず効率性快適性で大型車両になったのはなぜですか。
ちゃんと検証していればバスの大型化は、あり得ませんがどういう理由で大型化したのでしょうか。
お答えください。
また、財政負担の点では、利用者は、高齢者・障害者が70%、妊婦・子育てが10%、一般の100円利用者が15%で利用者の85%以上が無料乗車証を使用しています。無料乗車証の適用範囲の見直しの必要が指摘されました。
運賃は、都内17区と運賃比較をしておりますが17区は全てコミュニティバスで福祉バスではありません。
提言書は、財政問題ついては外部評価委員会の指摘より踏み込んで運賃の無料見直しと運賃の値上げを提言しています。
ここで質問します。
区は、「風ぐるま」見直し検討会の提言書をどのように受け止めて、どのように検証したのですか。お答えください。
区は、「風ぐるま」をコミュティーバスと地域福祉タクシーの役割を整理せず2つのニーズを同時に満たさなければならない課題を持ったまま新規切り替えを行いました。現行の地域福祉タクシーとしての福祉的な役割と広く様々な人に利用して頂くコミュティーバスとは、性格がそもそも違います。性格の違ったものを名前だけ地域福祉交通として代用しても福祉的な利用者には全く利用しづらいのは当然のことでした。どちらも中途半端になっているのが現状です。
このままでは、区はこれからも噴出する苦情に応えることは到底、出来ません。そればかりか今まで「風ぐるま」の利用者の85%が無料乗車でしたから4月に有料に切り替わると今まで以上にもっと厳しいご批判が出るものと思われます。
万一、区が「新風ぐるま」でコミュティーバス路線を突き通すと「風ぐるま」事業は、一部の元気な方だけが利用し交通弱者に対する福祉としての交通機関の役割を果たせません。
そこでもっと視野を拡げて見直しをしなくてはなりません。
コミュティーバスと地域福祉タクシーとの棲み分けを図った「風ぐるま」の見直しの再見直しが必要です。
先ず、「新風ぐるま」は、運行が開始されておりますのでコミュティーバスとして、停留所・ルート・時刻表などの再検討しながら進め、かつての地域福祉タクシーとしての「風ぐるま」を福祉目的に限定して復活させることです。
無料乗車条件等を見直し、路線も簡素化を図る等、再度整備・検討する必要があります。
今まで「風ぐるま」を利用していた高齢者が新しく切り替わったことで、外出が億劫になったり、引き篭りがちなってしまえば、「かがやきプラザ」がオープンしても帳消しになってしまいます。
「新風ぐるま」は、「かがやきプラザ」へ手軽な足として登場した経緯があり、区役所や「かがやきプラザ」、九段坂病院の利用者や妊婦さん・未就学児連れの保護者などは、わかりやすくなった。乗りやすくなったと喜んでいます。区民の中には、大きくなった「風ぐるま」に乗客がほとんどいないのを毎日見ると、全員無料にしろとか、大型バスは止めた方が良い等の声があります。
しかし、私はそうは考えておりません。「新風ぐるま」には、コミュティーバスとしてばかりでなく観光としての可能性があります。これを発展させて・台東区のめぐりん・文京区のB―ぐるん・中央区の江戸バスなどと提携して 都心北部の観光とすることも視野に入れば、また新たなニーズを掘り起こせます。周辺区の・港区のちぃバス・新宿区のWEバスなどと連携して利便性をさらに向上させれば、当区が進めるコミュティサイクルちよくる同様、東京五輪・パラリンピックに向け、観光の目玉としても期待されます。
ここで質問します。
両方からの対策が必要なのではないでしょうか。区のご見解をお伺いします。
次に
「東京オリンピック・パラリンピック開催に向けての千代田区独自の取り組みについて」お伺いします。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催は、世界中の全ての国々や世代、文化を越えた交流を通じて、千代田区の文化・歴史の魅力を世界中に知ってもらう絶好のチャンスです。また、千代田区の新たな価値を創造し発掘し発信を行なうチャンスでもあります。次世代の子どもたちが世界の様々な人々や文化を学ぶ絶好の機会でもあります。
区は、他区に先駆けて平成26年に千代田区オリンピック・パラリンピック推進プロジェクトを作成しました。
ここでお伺いします。
推進プロジェクトを各部各課でバラバラに取り組んでは、効率的な執行出来ないと平成27年度は、担当セクションを置いております。①現在、千代田区オリンピック・パラリンピック推進プロジェクトは、いくつありの進捗状況はどうなっているのか。お答えください。
また、②推進プロジェクトの進捗管理を担当セクションはどのように実施して、掌握しているのかお答えください。
68件以上の推進プロジェクトの中には、バリアフリーや案内表示の多言語化、サイン計画など日本各地の自治体が共通に取り組まなくては、ならないものがありますし、千代田区が独自に取り組まなくてはならないものもあります。
では、③最終的に千代田区としての独自な取り組みは何をするのか具体的にお答えください。
最後に
「無料公衆無線LANサービスの展開に当たって」お伺いします。
来年度予算案に、公衆無線LANサービス「CHIYODA Free Wi-Fi」の整備費が計上されております。遅きに失したとはいえ、東京オリンピック・パラリンピック開催に向け、来日外国人客の増加等が見込まれる中にあって、評価できる取り組みだと思います。
しかし、整備にかかる経費は膨大であり、観光客の利便性向上や防災利用のためだけの公衆無線LANサービスであってはなりません。
既に民間ベースの商用利用では、Wi-Fi網から得られるユーザーの位置情報や時間情報、アプリ利用情報、そして、企業が保有する顧客情報も結合したビッグデータを分析することで、より付加価値の高いサービスを提供する取り組みが行なわれています。
たとえば、あるユーザーがいつも2つの街に滞在しているとします。1つの街には平日の日中に滞在することが多く、もう1つの街には夜間や週末に滞在することが多いという分析ができれば、前者は勤務地であり後者は自宅付近だと推定できます。勤務地にいる日中には、ユーザーをランチやコーヒーの販売へ誘導し、自宅付近にいる夜間帯には、アルコール販売やレジャーへ誘導するというように、TPOを踏まえた商用誘導が行なわれています。
実は、このようなビッグデータやICT技術は商用利用だけでなく、行政分野でも活用可能であります。観光振興や防災面での利用だけではありません。
スペインのバルセロナ市では、Wi-FiをICTの共通インフラとしたスマートサービスの提供によって、市内に30億ドルの価値を創造したとされています。例えば、交通量センサ等を使い、各エリアの照明の明るさを適切に調整して省エネを実現し、市が負担する電気代を軽減したり、環境センサと連動させることで、騒音や大気汚染対策を進めるなどであります。
国内でも、例えば福岡市では、公衆無線LANサービス「Fukuoka City Wi-Fi」を提供するとともにその利用状況等をビッグデータ・オープンデータとして広く公開するなど積極的な取り組みが行なわれております。その独創性や先進性、ICT利⽤や住⺠等との連携協⼒等が評価され、総務省主催の「地域情報化⼤賞2015」の部⾨賞(地域活性化部⾨)を受賞されました。
本区でも、観光利用や防災利用に限定することなく、費用対効果を考えた幅広い行政利用が必要だと思います。区役所は庁内の情報化だけでなく、区内全体の地域情報化にも取り組む責務があります。公衆無線LANサービスの活用だけでなく、例えば、区道の電線類の地中化を進めるにあたって、区独自の光ファイバー網を敷設するなど、一事業部だけでなく、より大所高所からの政策判断が求められています。本来なら、地域情報化のデザインやスケジュールを検討してから、公衆無線LANサービスを展開すべきなのであります。
かつて任期付管理職員として民間からIT推進課長を招聘されたことがありましたが、再度活用されてはいかがでしょうか。
以上、公衆無線LANサービスの開始に関連して、行政分野での発展的活用やその利用状況のビッグデータ等としての公開、さらには行政の各施策を利活用した一層の地域情報化の推進についてご見解をお聞かせください。
以上 区長並びに関係理事者の明快な答弁を求めて質問を終わります。